
「日本の総人口に占める、神社本庁の信者比率」という記事で、神社本庁の信者数は2012年12月末で9000万を超えていて、総人口の70%ほどとなっていることを紹介させていただきました。
そして、それ以外の宗教も合わせますと、日本の宗教信者数は、2億人を越える状態が続いています。
グラフ化しますと、こんな形になります。
データは、文化庁が毎年調査している、宗教年鑑ベースとなっています。
基資料とした宗教年鑑の統計データには、創価学会や幸福の科学などの信者数が載っていませんので、それも加味しますと、1980年代からはずっと2億人越えということになります。
一方で、統計数理研究所が5年ごとに実施している「日本人の国民性調査」の「宗教は信じるか」という設問では、「信じている」を選択した人は25%から35%あたりでの推移となっています。
※設問は、「宗教についておききしたいのですが、たとえば、あなたは、何か信仰とか信仰心とかを持っていますか?」というもので、選択肢は「1.もっている、信じている / 2.もっていない、信じていない、関心がない」の二者択一とのことです。
信者数は、人口の150%超なのに、宗教を信じている人は30%程度。大きな齟齬があるとも考えられます。
まず、信者数調査の方の話としましては、伝統宗教と呼ばれる神道系や仏教系の教団では、初詣に訪れた人の概数や、周辺住民をざっくりまとめる形で信者数を算出しているところがあるとのこと。
さらには、あくまでも宗教団体の申告ベースで、検証できるものではないため、意図的に多くしているところがあるかもしれませんし、正確に算出しようとしているところでも、特に退団した人数の把握はむずかしい、という事情もありそうです。
また、信仰を持っているかどうかについて。
神社であれば、初詣に訪れたり、厄年にお参りしたり、夏祭りに訪れたりしながらも、信仰まではしていない、と考えている人が、実際には多そうです。
また、仏教についても、仏式で行われる親族の法事に参加したり、もしも自分が亡くなったときには、おそらく仏教形式で葬儀が執り行われるだろう、という方でも、信仰まではしていない、と考える人もいらっしゃるでしょう。
どちらのケースでも、日常的に儀式・祭礼などに参加するような人が信者で、そこまででなければ、信仰ではない、と捉えているものと思われます。
そういった無自覚な信仰を含め、2つ3つ、あるいはそれ以上の宗教を重複して信じている方について、信じている宗教の数ベースで算出していったなら……。信者数の総計が総人口を越えたとしても、あながち間違いとは云えない面もありそうです。
一方で、無自覚な信仰を含めて、まったく信仰のない方がどのくらいの比率いらっしゃるかは、おそらく調査をされたことがないかと思われます。
そちら方面の調査が見つかりましたら、こちらでもご紹介していきたいと思っております。