
日本で最も多くの信者を抱える宗教団体は、神社本庁になります。神社本庁とは、日本の90%超の神社を束ねる団体で、その信者数は2012年12月末で90,255,682人となるそうです。
9千万人とは、日本の総人口の70%ほどになります。みなさまの周囲にいらっしゃる方の7割に、神道を信じていらっしゃる自覚があるか……、その点は、疑問視される方が多そうです。
歴史的に見ますと、戦前の時代には、国家神道として国家体制と緊密な結びつきがあり、宗教ではない存在(むしろ道徳的なもの)として扱われていたそうです。そのため、信者数という概念にはなじまなかったものと思われます。
戦争に敗れ、GHQによって国家神道体制が否定され、神祇院が廃止されたのを受け、民間団体の皇典講究所、大日本神祇会、神宮奉斎会を母体にする形で成立したのが神社本庁となります。
戦後間もない1949年の年末時点では、信者数は42,385,184人で、これは総人口の81,773,000人の51.8%にあたります。
その後の、2012年までの推移については、グラフにしてみています。
振幅はありますが、1990年代以降は70%台前半で安定している形となります。
この数値、おそらく各神社の申告を積み上げているものと思いますが、その算出の手法としては、地域住民全体を氏子と考える場合や、初詣に訪れた概算人数とされる場合もあるとのこと。
そうなりますと、7割という数字が出てくるのも、不思議でないと云えそうです。
一方で、一般に「神社の信者」と考えますと、祭事などの際に取りまとめをやる人たち、という印象があるかもしれません。ですが、初詣に行ったり、お祭りに参加したりすれば、それはもう信者である、という考え方もありそうです。
そのような見方をしますと、初詣には神社に行き、親族で不幸があった際には仏式の法要に参加し、結婚する際には教会式で……と数えていくと、一人でいくつもの宗教を信じているが多い、というのが適切な見方となるかもしれません。
そのあたりについては、別稿となります「日本の宗教信者は2億人を超えて」でも触れておりますので、よろしければご参照ください。